テイルウォーク「エラン ワイドパワープラス」分解

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釣り具関係

 

今回は エラン ワイドパワープラスです。

 

以前にも紹介しましたが、このリールは主にタコ釣りに使用していて、偶にサーフトローリング・ショアジギング・ぶっこみ釣り等に使っています。
色々な釣りに使えるので年間を通して最も使用頻度が高く、お気に入りのリールです。

 

今回はこのリールの分解をしていきますが……長いですよ、今回は。

 

分解するのはそれほど難しくはありませんが、注意したほうが良いところもあるので画像つきで紹介しますね。

 

まずはスペックの紹介から。

自重 305g
ギア比 7.1:1
最大巻上長 87cm
最大ドラグ力 12kg
糸巻き量 PE 8号 / 100m

 

3号 / 260m

ボールベアリング 10+1 (ハンドルに4つ)

糸巻き量は、PE 8号 / 100m、3号 / 260mとなっていますが、実際にはもう少し短くなると思います。

なので、3号のPEラインを巻く場合、ナイロンラインを少しだけ下巻きしてからPEラインを200m巻けばOKです。この場合は200mのPEラインを購入してくれば無駄が出ずに済みます。

 

それでは分解していきますか。

分解

サイドカバーを外し、スプールを取り外す

このリールはシンクロレベルワインドなので、スプールにレベルワインダーを動かすためのギア(スプールピニオン)が付いています。

このギアはラインアラームを鳴らす役割も担っています。

 

スプールに付いている数字が書かれた赤いパーツが遠心ブレーキユニットです。
ダイヤルをセットした数字の数だけブレーキブロックが稼働しますので、「1」にセットしたらブレーキ1つ、「6」なら6つ全てのブレーキが機能することになります。

 

Eリングを外せばスプールピニオンとボールベアリングが取れる

 

反対側のボールベアリングも外す

スプールシャフトのピンを外す必要があります。専用の道具も市販されていますが、私は加工したペンチで外しました。
ピンを曲げないように注意しましょう。

 

ピンには太い方と細い方があります。

太い方から引き抜くようにすれば簡単に外すことができます。

 

ついでに遠心ブレーキユニットも分解

赤いプレートを留めているCリングを外せば分解できます。
※メンテナンスでここを分解する必要はありません。

私はブレーキシューの形を確認したくて分解しました。
もし分解するのならバネのついた小さいピンを無くさないように注意してください。

 

ブレーキユニット内部

このブレーキシューを自作するのは難しそうです。これはちょっと残念ですね。
2つの丸い穴にバネつきのピンが入っていました。

 

組み立てるときは取り外した黒いプレート(ダイヤル)の裏にある窪みの位置を確認してください。

2つのピンはこの窪みの範囲だけ稼働します。この「窪みの位置」と「赤プレートの数字」をよく確認して、正しい位置で取り付けましょう。(言葉だと説明しづらいです)

正しくセットしないと「数字」と「作動するブレーキシューの数」が一致しなくなります。

 

プレートを正しい位置にセットし、Cリングを取り付ける

Cリングを付ける前にプレートをテープで仮止めしておくと、バネ付きピンが気にならずに作業できます。

 

これでスプール部分は終わり。

 

サイドカバー内のスプールカバーを外す

油でベトベト……。

 

Eリングを外し、サイドカバーからクリッククローを取り外す

これがラインアラームの音を出す爪状のパーツ。
このパーツとスプールピニオンが接触することで音が出ます。

 

スプールカバーからコグホイールなどを外す

コグホイールの軸にはボールベアリングは使われていません。

 

組み立てるときはクリッククローのくびれに嵌めるようにCの形をした金属(金色のやつ)の先端をセットします。

 

次はハンドルです。

左が外側になるように並べました。

 

ハンドルノブを外していきます

ここはコインで外せます。

 


左が外側になるように並べました。
1つのハンドルノブに2つのボールベアリングが使われています。

 

さあ、いよいよボディ部分の分解です。

 

スタードラグを外す

左が外側になるように並べました。

 

メカニカルブレーキのノブを外す

六角形のようなバネ?で留めてあります。

 

六角バネ?を外す

左が外側になるように並べました。
バネ付きのピンを無くさないように注意してください。ここのピンは結構飛びます。(飛ばした)

 

奥にボールベアリングが見えますが…

こちら側からは外せません。

先ほどの六角バネ?はバネ付きピンを留めておくためのものです。実はここもそれほど分解する必要はありません。

 

組み立てるときはバネ付きピンの入る穴に固めのグリスを塗っておきましょう。

こうすればバネの「未知への飛翔」を防ぐことができます。

 

ボディのネジを外し、ギアボックスを開ける

グリスでベトベトです。

 

ギア側のサイドカバーについているボールベアリングを外す

これがメカニカルブレーキのところのベアリングです。

ついでに、つまみネジも外してみましたが、これは外す必要はありません。下手に外すと、バネが変形してしまいます。

 

ハンドル逆転防止ユニット(IAR、ローラークラッチ)は、きつく嵌まっていて外すことができませんでした。

今回は無理をせず、ここはパス。

 

次はドライブギアです。

 

ドライブギアからドラグパッドなどを外す

左が上側になるように並べました。(上の列の次に下の列です)

 

ドライブギアの下にはハンドル逆転防止のためのラチェットギアがついています。

そう、このリールには2つのハンドル逆転防止機構が備わっているのです。このタフな釣り(使い方)を想定した設計には好感を持ちますね~。

 


このラチェットギアはこのようにセットされています。

 

さて、さらに分解を進めたいところだったのですが……

!!!

ブラス(真鍮)製のドライブギアが黒く変色(酸化)していました。わかりづらいですが、歯面も真っ黒です。

 

これはギアを交換しないといけないか?……いや、まだ大丈夫でしょう。たぶん。

 

ギアが酸化したことで「巻き心地」は悪くなってしまっているかもしれませんが、強度的にはまだ問題はないでしょうからこのまま使うことにします。(このリールに巻き心地とか求めてないし)

 

まあ、少しコンパウンドで磨いておきますか。

ギアの寿命が縮むので歯面は磨いていません。

 

それでは分解に戻ります。

ピニオンギアを外す

ピニオンも少し変色しています。でも、気にしません。

 

ネジを外し、ギアシャフトを取り外す

根元にはボールベアリングが入っています。

 

このベアリングはEリングで留めてあります。

 

クラッチカム周りを外していきます。

クラッチカムの上の金属プレートを外します。

 

クラッチカムを外す前に、サムバー(クラッチレバー)裏のネジを外す必要があります。

このままではサムバーが引っかかって分解できません。

 

では、サムバーを外します。

 

クラッチカムを外す

2つあるトーションバネはサイズが異なるので注意。

 

フロントカバーを外す

 

レベルワインドナットとかを外す

 

ウォームシャフトを外す

 

残りのあれやこれやのパーツを外す

レベルワインダーって結構汚れるんだよね…。
レベルワインダーはボールベアリングで支持されています。

ベアリングは、スプールに2つ、メカニカルブレーキに1つ、ギアシャフトに1つ、レベルワインダーに2つ、ハンドルに4つ、そして逆転防止機構の1つを加えて、全部で10+1個です。

 

…さて、これで分解は終了です。
あとはパーツを洗浄して、適宜にグリスアップしつつ組み立てればオーバーホールも完了です。


うん、そこそこ綺麗になりました!
メンテナンス終了!

 

あぁ~疲れた……

 

 

終わり


ワイドパワープラスのインプレ記事もどうぞ

エラン ワイドパワープラスのインプレ
テイルウォークの万能リール、「エラン ワイドパワープラス」の紹介。

コメント

  1. 藤井 忠彦 より:

    初めて、ワイドパワープラスのオーバーホールとベアリングチューニングをしようと考えているのですが、分りやすい説明で大変助かります。1点質問なのですが、スプールシャフトピン
    ですが、もし紛失してしまった場合等、替えピンの入手は可能なのでしょうか?パーツ構成表
    を見る限り、スプールセットとなっているようなのですが、入手先をご存知でしたら教えて頂ければ幸いです。宜しくお願い致します。

  2. クランケ つりお より:

    >藤井 忠彦さん

    ≫スプールシャフトピンですが、もし紛失してしまった場合等、替えピンの入手は可能なのでしょうか?

    これはメーカーに問い合わせてみないと確かなことはわかりませんが、恐らく純正品のスプールシャフトピン単体だけを購入することはできないと思います。

    ただ、純正品に特にこだわりがないというのであれば、スプールシャフトピン単体を販売している他のメーカーのものを流用することが可能かもしれません。

    私のワイドパワープラスのスプールシャフトピンの寸法は長さ7.4㎜、径は細い方がφ1.4㎜で太い方がφ1.5㎜です。
    手元にあるベイトリールにはこれと同じサイズのピンを使っているものはありませんでしたが、各メーカーに問い合わせれば同サイズのピンを単体で入手できるかもしれません。