今回はアブガルシアのスピニングリール「スーペリア」の分解記事です。
このリールは私のものではありませんが、メンテを頼まれたのでついでに分解手順を記事にしておきます。
私はこのリールを使ったことが無いのでインプレは書けませんが悪しからず。
では、分解にいく前にリールの簡単な紹介をしておきます。
紹介
このリールはアブガルシアのスピニングリールとしては入門用に位置付けられたモデルです。
実売価格は1万円以下になっているのでかなり手が出しやすいリールと言えます。予備機として持っておくのも悪くない選択です。
ラインナップは1000番~5000番と幅広いので自分の欲しいサイズを選びやすいのも良いですね。
それぞれのサイズのスペックはメーカーのHP(http://www.purefishing.jp/product/abugarcia/superior.html)で確認してもらうとして、ここでは今回分解する「3000MSH」のスペックを紹介します。
スペック
3000MSH
重量 | 265g |
ギア比 | 6.2:1 |
最大巻上長 | 96 ㎝ |
最大ドラグ力 | 5 ㎏ |
糸巻量 | PE 2号 - 220m |
ボールベアリング | 4+1 |
やはりエントリーモデルということもあって重量が多少重く、ボールベアリングの数も少ないですが実釣面では何も不満はないそうです。(持ち主談)
持ち主はこのリールでライトショアジギング等の釣りを楽しんでいますが、見たところ何の問題もなく釣りができているのでシイラを釣る程度ならこのリールで十分だと思います。
分解
さて、そろそろ本題の分解にいくとしますか。
スプールを外す
ドラグワッシャーなどを止めている針金を外す
マイナスドライバーなどで端から順に外します。
針金が飛ぶことがあるので手で覆うように作業しましょう。
外したドラグ部
左側が上になるように並べました。
ハンドルを外す
この価格帯には珍しく、ねじ込み式のハンドル。
ハンドルはこれ以上の分解は無理。
ワッシャー、クリックギア(と言うらしい)を外す
左側が上になるように並べました。
ローターを外す
左側が上になるように並べました。
次はベール周りをばらしていこう
このリールには何か所か六角穴のネジが使われています。
ラインローラー部もそのうちの一つ。
ラインローラーを外す
ここにはボールベアリングは使われていないので多少メンテをサボっても大丈夫。
ベール、ベールアームを外す
ラインローラー側にはバネや小さいパーツが入っているので無くさないように注意。
ベールアームカバーを外す
まあ、特に変わったところはない構造。
ベールアーム周辺は組み立てるのに少しコツがい要るので、特に理由が無いなら分解せずにグリススプレーだけしておけばメンテはOK。
次はボディ。
ベアリングリテーナーというカバーを外す。
ここも六角穴のネジが使われています。
反対側も同様に外す
ここを開けてやればハンドル軸のベアリングのメンテができるのでなかなかメンテナンス性は高い。
そういえばモノコックボディのリールを分解するのは初めて。いつもはボディを開けないとベアリングにアクセスできないんだよね…。
ちなみに、ここのカバーとベアリングは左右で同じものが使われているのでテキトーに分解してしまっても安心です。
矢印の2つのネジを外してリアカバーを外す
これでギア類にアクセスできます。
単純なグリスアップならここまでの分解でOK。
画像では見えにくいですがピニオンギアにも注油可能です。
オシュレートスライダーガイドを外す
引っ張るだけ。
オシュレートスライダーをメインシャフトから外す
これでメインシャフトを引き抜くことができます。
ボディ上部の3本のネジを外す
ついでにN-Rカム(ストッパー)も外す
ただ、オーバーホール以外では外す必要なし。
ピニオンギア、ワンウェイクラッチ周辺を分解する
まず、矢印の隙間にマイナスドライバーなどを差し込み、白い樹脂パーツを上に押し上げます。
傷をつけないように丁寧に作業しましょう。
外したベアリングなど。
左側が上になるように並べました。
ピニオンギアを引き抜く
ワンウェイクラッチなども一緒についてきます。
この順番に入っていました。
このカバーを外すと…
オシュレートギアをとめているネジが出てきます
ついでに残ったベアリングを外す
これでもうベアリングは残っていません。
ハンドル支持に2つ、ピニオンギア支持に2つ、そしてワンウェイクラッチを加えて4+1つです。
オシュレートギアのネジは普通に回しても外れません
画像ではわかりにくいですが、ネジの裏にはマイナスネジの頭の様な溝が切ってあるパーツがあります。
これにマイナスドライバーなどを当てながら反対側のネジを回します。
外したギアには樹脂のブッシュが使われています。
これが先程外したネジの反対側にあったパーツ。
マイナス型の溝があります。
次はトランスファーギアを外す
矢印のやつがそれ。
これはただシャフトに差し込んであるだけなので簡単に外せる。
ドライブギアを外す
ここにはワッシャーが1枚入っていましたが、これは個体によって枚数が違うかもしれません。
ふう、これで分解は完了です。
モノコックボディのリールはベアリングやギアに注油するだけなら楽でいいですが、ギアを外して洗浄しようとするとちょっと面倒ですね。
しかし、モノコックボディは確かに剛性が高そうですし、比較的パーツ洗浄や交換の必要性が高いボールベアリングにはアクセスしやすくなっているのは魅力的です。
普段のメンテナンスではギアは洗浄せずに減った分のグリスを塗布しなおすだけ、というやり方をすればギアが外しにくいこともそれほど気にならないでしょうし、そういう風に割り切って考えれば「お手頃価格でタフ」というメーカーの謳い文句は間違いではなさそうです。
傷を気にしないで使い倒すならこのリールでいい気がしますね。(ラインストッパーは気にくわないけどね…)
おわり
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