今回はシマノの「05 カルカッタ101」の分解メンテ。
前回に引き続きリール分解の記事になりますが、このリールもメンテを頼まれたものです。
…なんだかいいように使われている気がしますが、きっと気のせいではないでしょう。
ま、いいか。
釣りに行かずに黙々とリールメンテするというのも中々悪くありません。
それじゃあ分解していきますか。
3カ所のつまみネジを外し、スプールを取り外す
この手の丸型リールは道具を使わずにギヤへアクセスできるのでメンテナンス性が高く、それが魅力的。
現行のカルカッタはドライバーを使わないといけないようですが、個人的にはこっちの方が有難いんだけどな~。
スプールベアリングを外す
専用の道具を使うのが無難です。
ここはオープンベアリングなのでメンテナンスが楽です。
ボディ側のスプールベアリングを外す
先の細いピンセットやマイナスドライバーで留め金を外せばOK。
ベアリングの奥にあるスプール軸当たり(と言うらしい)も外して洗浄します。
クラッチレバー(サムバー)を留めているEリングを外す
クラッチレバー・クラッチレバーガイドを取り外す
ガイドを引き抜けばレバーも外れます。
次はここ
Eリングを外して蓋?を取り外す
ネジを外し、クロスギヤ抜け止め(と言うらしい)を取り外す
レベルワインドガイドもついでに引き抜きます。
レベルワインド受けを外し、中に入っているクロスギヤピンを引き抜く
小さいワッシャーがあるので紛失注意。
クロスギヤを留めているEリングを外す
ここは専用の道具があった方が良いかもしれません。かなり手強い。
Eリングが外れればこの通りレベルワインドがバラバラになります。
ギヤは摩耗していませんがかなり汚れているので念入りに洗浄します。
このカルカッタはクロスギヤ部の軸受けが樹脂製。
ちょっとくらいメンテをサボっても錆びないので楽。
各パーツ・ボディをパーツクリーナーと歯ブラシで洗浄
かなり綺麗になりました。
次は機関部です。
ハンドルを外す
ハンドルノブキャップを外す
少し変わったネジが見えます。
ネジを外し、ノブを取り外す
ハンドルノブ周辺のパーツ。
左側が軸先になるように並べましたが、右から2番目と3番目のパーツの間にノブを入れるのを忘れてしまいました。
スタードラグなどを外す
ドラグはクリック音が出ないシンプルなタイプ。
ネジを外し、ボディカバーを取り外す
あ~……かなり汚れてますな。
それにしても、改めて見てみるとやはり丸型リールの機関部は狭いですね。
この頃のカルカッタのデザインは好きなんだけど、ギア比がなぁ……。
メカニカルブレーキのキャップを外す
キャップについているパーツも外して洗浄。
ついでにローラークラッチインナーチューブを外してローラークラッチ回りも洗浄。
留め金を外してベアリングを取り出す
ローラークラッチはそれほど汚れていなかったので外さないことにしました。
メインギヤシャフトからメインギアとドラグを取り外す
左側が上になるように並べました。
ピニオンギヤを外す
メインギヤ・ピニオンギヤともに問題なし。
メインギヤシャフトを留めているEリングを外す
左側が上になるように並べました。
ここの軸受けはボールベアリングではなく金属ブッシュ。耐久性重視の仕様ですね。
このリールではハンドルノブ1つに対して2つのボールベアリングが使われています。 (合計4つ)
その一方でボディ側には3つしかボールベアリングが使われていません。(その全てがスプール軸支持部)
回転抵抗を小さくする必要があるスプール関連以外にはボディにボールベアリングを使っていないこと、つまみネジを回すだけでギヤのグリスアップが可能という高いメンテナンス性、この2つの相乗効果によってちょくちょく注油さえしていれば小まめなオーバーホールは必要なさそうです。
私みたいに「オーバーホールは面倒臭いけど注油はちゃんとやる」という人ならこのリールは長期間そこそこの性能を維持したまま使い続けることができるような気がします。
私はこういう精密機械の繊細さを感じさせないリールは結構好きです。
最近のリールは異物の侵入をシャットアウトするという方向に突き進んでいるように感じますが、こういう「メンテナンス性の高さという性能」も見直してもらいたいなぁ。
さて、分解に戻りますか。
クラッチカム押さえ板を外す
クラッチカム・クラッチプレートを外す
単純に上に引き抜くだけ
さあ、これで残るパーツは2つ。
ちゃちゃっと分解すればいいだけなんだけど、ここで持病の「なんか面倒になってきちゃったな病」の症状がでてしまったので分解はここまで。
パーツをつけたままのズボラ洗浄をして分解・洗浄は終了。
あとはテキトーにオイルとグリスをつけてテキトーに組み上げればメンテ完了じゃい。
「釣りに行かずにリールをメンテするのも悪くないな…」と格好つけておいて手を抜く。
これが私流。
おわり
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