釣行前に確認しよう 「うねり」って何?

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「安全な釣行は釣り人の義務です」ってCMもあるし……

釣りに行くときに天気予報で天候や風の強さなんかを確認する人も多いと思います。
中には釣り場についた後にスマホで確認する、という人もいるかもしれません。

私も以前は天気予報を特に調べないで釣りに行ったことが何度もありましたが、いざ釣り場に着いてみたら釣りにならないくらい波が高かったり、川が増水していて足場が無い、なんてことがありました。

 

「せっかく来たから……」と比較的安全そうな場所で釣りをして、波飛沫を浴びて服も釣り具もビチョビチョに……というアホなこともやりました。(波じゃなくて本当に良かった)

釣行前の天候情報確認は、雨具の準備や服装(着替えも)選びの参考になるだけでなく、当日の釣り場の安全性を考える上でも重要です。
本来水辺は危険な場所です。しかし、少し情報を確認するだけである程度は危険を避けることができます。

 

川や湖などで釣りをする場合は、天候・降水確率・風・過去数日の降水量・ダムの放流情報等を確認しておくとよいでしょう。

降水確率と過去数日の降水量は、渓流釣り等足場が悪い(足場が脆い)所を移動する釣りに行く時には重要な情報です。釣り場で斜面を降る(登る)時に、雨でゆるんだ地面が崩れることもあり得ます。

 

また、上流にダムがある河川での釣りに行くときには、過去数日の降水量とダムの放流情報を調べておくのをお勧めします。

中州で釣りをしていたら、いつの間にか増水して逃げ場がなくなる……なんて洒落になりません。国土交通省 川の防災情報のサイト等で降水量や河川水位、ダム放流情報などを確認しておくのが無難です。

 

海釣りに行くなら事前に潮汐・天気予報を調べる、という方は多いと思いますが、これに加えて風予測・波予測を確認するべきです。

足場が高くしっかりした場所(堤防など)ならば余程の悪天候でなければ釣りをするのに問題はありませんが、波風の影響を強く受ける砂浜や磯場等で釣りをする場合は釣行前の情報確認は必須です。

 

仮に足場の良い堤防であっても、大潮の満潮時にうねりや強風の影響で波を被ることもあります。足場が高いからと安心していたら不意の高波に釣具をさらわれた、という話を釣場で会った方に聞いたことがあります。

風・波予測が載っている天気予報サイトも多いので必ずチェックしてください。

 

さて、天気予報などを見ていると「ウネリを伴う」「ウネリが入る」等の表現を目にすることがあると思いますが、「ウネリ」とは何なのか今一わかっていない、という人も多いのではないでしょうか?

実は私もうねりを理解しておらず、「高波の一種……?」という漠然としたイメージを持っているだけでした。

 

調べてみると、この「ウネリ」……釣人には意外と厄介なものでした。

 

ウネリとは?

風浪

ご存知のように、海には波があります。波浪というやつです。波浪は海上の風によって大きくなることがあります。この様なものを「風浪」と呼ぶらしいです。(知らんかった)

 

風の強い日に海釣りをしたことがある人ならば「ああ、あの時のアレが風浪ってやつだったのか。」と、思うのではないでしょうか?

 

風浪は、風の強さ・風の吹く時間の長さ・同方向へ風が吹いている距離、の3つの要素によって大きくなります。

風浪の代表的な例は台風時の大時化です。台風は、風の強さ・時間・距離の3要素全てが揃っているので風浪も大きく発達しやすいのです。

 

ウネリ

風浪は、わかりやすく表現すれば「風が吹いている時の高波」です。そして、風浪が風の止んだ(或いは風向きが変わった)海域にまで進んでいったものがウネリです。

 

風によって押されていく高波が風浪で、風がない所まで伝わっていく高波がウネリ、というわけです。

ウネリとなって伝わる波は、伝わる距離が長いほど段々と弱くなっていきますが、風浪の発生場所から数千㎞離れた位置まで伝わることもあるようです。

 

ニュース等で台風接近時の様子を生中継で放送することがありますが、台風から離れた地点のリポーターが、「強い風は吹いていないが、波は非常に高いです。」と報告するような状況の時がありますが、この時の高波がウネリで、ウネリは台風よりも早く沿岸に到達します。

 

「台風はまだ大分離れた位置にいるから釣りに出かけても大丈夫だろ。」と安易に考えると、実際に釣り場に行ってみたらウネリで釣りにならない……ってことになったりもします。

 

また、ウネリは台風だけでなく発達した低気圧からも発生します。日本が高気圧に覆われて穏やかな天候になっていても、他海域の低気圧から発生したウネリが日本まで到達して、各地の釣り場が危険な状態になることもあるので要注意。

 

さらに、風浪にはないウネリの特性として「岸近くの浅場で急に波が高くなる」というものがあります。これは浅水変形と呼ばれる現象で、海底が浅くなるほど波が高くなる傾向があります。

この現象は、岸(浅場)に向かってきた波の底部の水流が浅くなる海底によってブレーキをかけられて減速し、その上に後から来る波(の上部の水流)が乗るような形になることで起きます。

 

言葉だとわかり辛いので下図を引用します。


出典:海上保安庁 宮崎海上保安部「転覆のメカニズムと対策について」宮崎海上保安部、http://www.kaiho.mlit.go.jp/10kanku/miyazaki/uminoanzen/kogatasen-point/date/tenpukuziko/kogatasen-point.htm(参照2017-10-15)

 

サーフ等の浅い海岸では浅水変形で波が高くなりやすいのです。沖の方では波が立っていないように見えても、波打ち際では波が大きくなるこの現象は釣人なら知っておいたほうが良いでしょう。

風浪の影響は天気予報で風予測を見ておけばある程度予測できます。また、釣りをしている時に急に風が強くなってきた時でも、強風が吹いてきた時点で水辺を離れれば風浪の被害を避けることができるでしょう。

 

しかし、ウネリは釣り場付近の風とは関係無く発生します。「今日は風も無くて穏やかな釣り日和だな~。」と油断していたら不意にやたらと高い波が来た、という危険な目にあいかねません。これがウネリの厄介なところなのです。

 

ウネリ(高波)は時として予想以上の大きさになることもあります

日本は台風がよく通過することもあり海・沿岸部には多くの消波・防波設備が設置されていますが、近年でも台風とそれに伴うウネリによる高波被害が各地で発生しています。

 

例としては、2004年の高知県菜生海岸(越波・堤防破損)、2007年の神奈川県湘南海岸(西湘バイパス破損)、2008年の富山県富山湾沿岸(越波・浸水)等があり、これらの被害は従来の想定よりも大きい高波によってもたらされたものです。

どうやら、従来の高波想定(最大どのくらいの高波が発生するか)は台風の高潮と風浪による高波を考えたものだったようです。

しかし、そのような想定では十分ではなく、上記の例の様に想定外の高波がウネリによって発生することが判明しています。

 

しかしながら、ウネリによる高波の大きさは様々な要素(地形・風浪の強さ・異なるウネリが合わさる等)が絡み合って決まるので、現状では正確な高波予測(想定)はできないようです。

考えすぎかもしれませんが、ウネリによる高波を正確に予測できない、ということは天気予報等の波予測も過度に信じるべきではないのかもしれません。

 

特に「ウネリを伴う」等と書かれているようだったら、予測よりも大きい波が来ると思っておいたほうが良いんじゃないかなぁ……。

 

長々と書いてしまいましたが、言いたいことは「釣行前に天気予報とか見て安全に気を配るべき。ウネリは厄介やで。」ってだけなんだ。

 

 

おわり

コメント

  1. ぶたお より:

    参考になりました。ありがとうございました。

  2. クランケ つりお より:

    >ぶたおさん
    お役に立てて何よりです。