エラン ワイドパワープラスのインプレ

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釣り具関係

 

今回は主にタコ釣りで使用しているリール「エラン ワイドパワープラス 71R」について書いていきます。

 

メーカーはテイルウォーク。
詳しいスペックはメーカーのページで確認してもらうとして、ここでは私が使っていて感じたことを中心に書くことにします。

 

このリールを購入したのは2016年9月なので、1年3カ月くらい使用した上での評価です。

ちなみに、このリールはタコ釣り・サーフトローリング・カゴ釣り・ぶっこみ釣りに使っていますが、最近はほとんどタコ釣り専用機と化してます。ラインの巻き替えが面倒で……。

 

テイルウォークのリールは使ったことがなかったので、購入する時はちょっと不安だったんですが……今ではガンガン使っています。

では、まずはこのリールを購入した経緯からいきましょう。

購入経緯

このリールを買う前に使っていたのはシマノ・スコーピオン メタニウムXT(97′)でした。

昔バス釣りに使っていたこのリールをタコ釣り・サーフトローリングに使用していたのですが、

  • タコ釣りをするにはドラグ力が足りない(max6㎏らしい)
  • 使っている内にスプールが腐食してきた
  • ラインキャパが足りない
  • ギア比が低い(サフトロで使うには巻き取りが遅すぎる)

という理由から新しいリールを買うことにしました。

 

当初、目を付けたのは

  • シマノ・カルカッタシリーズ
  • シマノ・グラップラーBB
  • ダイワ・タトゥーラ HDカスタム
  • アブガルシア・レボ ビッグシューターシリーズ
  • テイルウォーク・エラン ワイドパワープラス

でした。

 

しかし、この中で「ドラグ力・ラインキャパ・ギア比」の条件を満たすのは、ビッグシューターとワイドパワープラスの2つだけ。

タコ釣りだけ、或いはサフトロだけに使うのならもっと選択肢があったんですが、この2つの釣りに対応できるリールは少ないですね。

 

そして、最終的にワイドパワープラスを買うことに決めたのですが、決め手になったのは価格でした。

「同じことができるなら安いほうでいいや」といった気持ちでしたね。

店頭価格で1万円くらいの差があったんじゃないかなぁ…。

 

「初めて買うメーカー、価格が安い」ということに若干の不安を感じながらもこのリールを購入することにしました。

それでは、実際の使用感にいきましょう。

 

使用感

キャスト・バックラッシュ

 

購入直後の印象

購入当初は青物釣りシーズンということもあり、まずは青物狙いのサーフトローリングで使用してみることにしました。

※使う前にオーバーホールしてオイル・グリスを新しく塗布したので「箱出し」とは使用感が若干違うと思います。

 

釣り場に着いて、まずはワイドパワープラスのブレーキ調整をしました。使用していたのは20号のジェット天秤と弓ヅノです。

何度かキャストをしてみたところ、どうもブレーキの効き方が安定しない印象を持ちました。

 

以前使っていたメタニウムXTは、キャストの最初から最後までブレーキが安定して効くので着水直前にサミングすればバックラッシュすることはなかったんですが、ワイドパワープラスは途中(キャスト直後くらいのタイミング)でもサミングをしないとバックラッシュする傾向がありました。

 

そこで遠心ブレーキ・メカニカルブレーキを色々と調整してみたのですが、ブレーキを強くするとキャスト後半の伸びが無くなって飛距離が落ち、ブレーキを弱くするとバックラッシュが途端に増えるという傾向が強く、ブレーキの性能に納得できなかったのを覚えています。

 

なにしろ、メタニウムXTならストレスフリーで遠投できていたのに、新しく買ったリールでは気を抜くとすぐにバックラッシュしてしまうんですから…。

これには少しがっかりしました。(※この問題は後々解決できました。次のところで書きます)

 

現在の評価

初めのうちは不満だったブレーキ性能ですが、意外なことでバックラッシュ問題は解決しました。

バックラッシュの問題を解決したもの、それは「オイル」でした。

 

最初の頃はスプールの回転を良くするためベアリングにISO VG 10(オイル粘度、数字が大きいと粘度が高い)のオイルを使っていたのですが、思いつきでISO VG 30のオイルにしてみたら、なんとバックラッシュせずに気持ちよく遠投できるようになったのです。

 

これには驚きました。

私の場合、低粘度のオイルだとキャスト直後のスプール回転数が(オイルの抵抗が低すぎて)上がり過ぎてしまい、バックラッシュが起きていたようです。

 

そして、オイル粘度の高いものを使うことでスプール回転数が適度に抑えられ、キャスト直後のバックラッシュが激減したのでしょう。

しかも、バックラッシュが減ったことで物理的な遠心ブレーキを低めに設定できるようになり、キャスト後半の伸びが実感できる状態になったのでとても満足しています。

 

以前は「ベイトリールには低粘度オイルを使っておけば良い」と単純に考えていましたが、現在は「場合によってはオイル粘度を上げたほうが良い」という認識に変わりました。…本当にオイル1つで変わるものです。

 

あ、ついでに書いておきますが、私が使っているオイルは釣り具用のものではなく、ホームセンターなどで売っている安物です。

オイルの粘度が書いてあるのでこっちのほうが便利だと思うのは自分だけか……?

↑こういうやつ。ネットで買うよりもホームセンターで選ぶほうがいいかも…。
買うときは「ISO VG~」の~の部分の数字を確認してから買ってね。

 

あ、あと1つ問題点がありました。

構造上仕方がないのですが、このリールはスプールベアリングのオイルが遠心ブレーキ部分につきやすい、という問題があります。
キャスト時に回転するベアリングから余分なオイルがブレーキユニットに飛び散ってしまうのです。

こうなると、遠心ブレーキが効きづらくなってしまうのでベアリングに注すオイル量は少なめにしたほうが良いです。

「なんかブレーキが効かないな…」と思ったらこれをチェックしてください。

 

 

巻き上げトルク

このリールを初めて使った日は運が良いことに大漁で、ソウダガツオ・ワカシ・スズキを合計で20尾近く釣ることができ、リールの巻き取りトルクの強さを確認することができました。

 

ワイドパワープラスはメタニウムXTよりもギア比が高くなっているのですが、メインギアのサイズ・ハンドルのサイズ(長さ)が大きくなっていて、巻き取りトルクはワイドパワープラスのほうが断然強いです。

60㎝くらいのスズキもゴリ巻きでキャッチできましたし、ソウダとワカシも簡単に釣り上げられました。

あと、タコ釣りをしていても力強くリーリングできる(これが重要)ので不満点はありません。

 

この巻取り速度とトルクの両立はとても気に入りましたね。こんなにパワフルなリールは使ったことがなかったです。

ただし、コスト削減のための影響なのかはわかりませんが、所謂「巻き感・巻き心地」は良くはなかったですね。ちょっとシャリつく感じです。
(個体差かもしれないけど)巻き心地に関してはビッグシューターシリーズのほうが上(借りてみた感想)です。

やはり、大手メーカーはこういう所にも力を入れているんでしょうね。

 

まあ、私は巻き心地をあまり気にしないのでマイナスポイントにはなりませんでしたが、気になるという方もいるかもしれません。

 

巻き取りスピード

ハンドルを1回転させたときの巻取り量は、メタニウムXTが66㎝、ワイドパワープラスは87㎝です。(※どちらもラインを目一杯巻いた時の巻き取り量です)

この一巻き20㎝の差は大きく、サーフトローリングをするのがずいぶん楽になりました。まあ、メタニウムXTでサフトロなんかするなよっていう話ですけど…。

トルクの強さもあってカゴ釣り等でも仕掛けの回収がすんごく楽。

 

ドラグ力

もうね、これは段違いに強いです!

タコ釣りをしていて、メタニウムXTだと「ドラグが弱くて巻けない」という状況が何度かありましたが、ワイドパワープラスにしてからは一度もないですね。

2㎏のタコをボトムから剥がして釣り上げるなんて、たぶんメタニウムXTだとできないんじゃないかなぁ…。

 

最大ドラグ力には文句のつけようがありませんが、ドラグの滑り出し性能に関しては…残念ながらわかりません。常にドラグをフルロックにしているのでドラグが出たことがないのです。

大型の青物が掛かった時にどうなるかが問題ですね…。

 

ラインキャパシティー

タコ釣り・サフトロ・ぶっこみをしている分にはラインキャパは十分です。

しかし、ナイロンラインを使った遠投カゴ釣りだとキャパが足りません。まあ、細めのPEラインを使うか、そこまで遠投しなければ問題ないくらいのキャパはあるので、本格的なカゴ釣りをしないならOKです。

 

このラインキャパシティーというかボディサイズは絶妙な設定ですね。
このサイズだと色々な釣りに使うことができます。私のように「1つの道具で色々な釣りをしたい」という人には向いているリールだと思います。

1台あるとホントに便利、1年中使えます。

 

耐久性

今のところは特に問題らしい問題はありません。

錆・腐食も出てないし、ギアにも問題は起きていません。基本的なメンテナンスさえしていれば長く使えるんじゃないかなぁと思います。…まあ、これはもっと使い込まないと何とも言えませんね。

 

……こんなところですかね。
なんか色々と書きすぎてわかりづらくなってしまったのでまとめますね。

 

評価まとめ

 

×=使い物にならない
△=不満
〇=満足
◎=大満足

の4段階で各項目を評価します。

 

購入直後の印象

  • キャスト        △
  • 巻き上げトルク     ◎
  • 巻き取りスピード    〇
  • ドラグ力        ◎
  • ラインキャパシティ   〇
  • 耐久性         ?

 

現在の評価

  • キャスト        ◎
  • 巻き上げトルク     ◎
  • 巻き取りスピード    〇
  • ドラグ力        ◎
  • ラインキャパシティ   〇
  • 耐久性         〇?

 

だいたいこんな感じです。
耐久性だけはまだ判断できないので?をつけておきました。

※キャストの評価は30g以上のものを投げた場合のものです。軽いものを投げるには向いてないリールなので。

ナチュラムはこっち↓
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価格も含めて考えれば、文句のつけようがないくらい良いリールです。

特にタコ釣りに使うのにオススメですが、様々な釣りに対応できる懐の深さも持ち合わせているのがこのリールの良いところ。

 

釣り人によって千差万別の使い方ができるので、「あれに使おうかなぁ?…いや、こういう使い方もあるなぁ」と妄想が膨らむこと間違いなし!

 

 


※2018年 1月12日 追記

今年の春に5.4:1のパワーギア(ローギア)モデルが発売になるようです。

タコ釣りに使うなら、私が持っているハイギアモデルよりもパワーギアの方がオススメです。大物タコを狙うなら迷わずパワーギアモデルを選びましょう。

私みたいにベイトリールでサフトロしたい人には従来モデルがオススメ……いや、いないか…。

 

 


2018年 2月27日 追記

テイルウォーク「エラン ワイドパワープラス」分解
今回は エラン ワイドパワープラスです。   以前にも紹介しましたが、このリールは主にタコ釣りに使用していて、偶にサーフトローリング・ショアジギング・ぶっこみ釣り等に使っています。色々な釣りに使えるので年間を通して最も使用頻度が高く、お気に...

↑の記事でも紹介したように、分解してみたらギアが真っ黒に変色していました。

 


どうやら真鍮(ブラス)のギアが酸化してしまったようです。
びっくりしましたが、どうやら使用に問題は無さそうなのでギアの交換はしていません。

 

どうせならギアの歯が欠けるまで使って、耐久性を確かめてみることにします。

 

それと、ギアの黒化で「巻き心地が悪くなったか?」というと……正直、わかりません。

私が巻き心地を気にしてなかったのもありますが、このリールは元々それほど巻き心地の良いリールではなかった気が……。

 

そのままにするのもなんなんで、コンパウンドで一応磨いておきました。

歯面はそのままですけどね。

さて、いつまでもってくれるかなぁ……

 

 


2018年 9月30日 追記

久しぶりに真面目にメンテナンスしようと思ってリールを分解してみると……

やっぱりギアがまた黒くなっていました。

 

わかりづらいかもしれませんが、ドライブギアとピニオンギアの両方とも変色してしまっています。
どうも空気に触れる部分は時間と共に変色してしまうようですね…。

このままでも使用する上では何の問題もありませんが「ギアはいつでもピカピカじゃないと嫌だ!」って人には向かないかも。

 


2020年 12月10日 追記

今年もうちの子は日焼けして真っ黒です。

……すいません。ただ、酸化しているだけでした。

相変わらずギアは変色していますが、意外と摩耗はそれほど進んでいないようです。
巻き心地も以前とあまり変わっていない気がします。(もともと良くはない…?)

ここ以外でくたびれてきているパーツはメインシャフト。

力の掛かる部分が少し変形してしまっています。

そろそろパーツ交換をしようかと考えていますが、テイルウォークってHP上でパーツ価格を公表していないんですよね。

パーツ価格を知るにはいちいちメールで問い合わせないといけないようです。
なんでそんなに面倒な方法にしているんでしょうかね?

これだと消費者もメーカーも手間が増えるだけだと思うんだけど……アフターサービスやる気がないのかな?

コメント

  1. 匿名 より:

    エランの遠心ブレーキは、グリス塗れでブレーキが飛び出ない。

    ワイドパワープラス71R×2台、スーパーワイドパワー1台、
    3台全てそういう状況だったので、一応メーカーに問い合わせた。
    把握していなかった様だが、メーカー在庫分にも複数存在した。

    ブレーキシューの周辺は一度分解して、
    パーツクリーナーで脱脂して使って下さい。