秋の夜長はギンピカで③

前回記事

タチウオ漁獲量の多い中国。何故これほどまでに多いのか?原因を考えてみた。

のつづき。

3回目にしてやっと太刀魚釣りに関するトピックスを紹介します。

太刀魚は幽霊に例えられることもあるなど、神出鬼没というイメージの魚ではないでしょうか?
先ほどまで好調に釣れていても、ぱったりと反応が無くなる、ということもあります。
“太刀魚は時合いが短い”とよく言われ、このことを経験から理解している方も多いのではないでしょうか。

しかし、「どうしてなのか?太刀魚はどういう行動をしているのか?」ということを具体的に理解している方は少ないのでは?(私は知らなかった・・・)

スポンサーリンク

最高時速は60m/h?

太刀魚の時間ごとの分布・移動についての論文を見つけたので紹介したいと思います。
研究自体は、太刀魚の生態・漁業についての幅広いものですが、その中の一部を引用します。

「(3)日周期的な分布・移動」
Fig.62から,夜間から日出前後におけるタチウオの釣獲と魚信の認められた水深の変化を検討する。
02:50から空が明るくなり始める03:50頃までにタチウオの釣獲と魚信の認められた主な水深は1O~20mであり,この間,時間の経過とともに釣獲と魚信の認められる水深は深くなる傾向がうかがわれた。
04:10から04:20の10分間は水深 15mから表面付近で釣獲が認められ,上述の傾向とは逆に釣獲水深が浅くなった。
しかし,日出直前 (04:10から04:55)になると釣獲と魚信の認められた水深は再び深くなり,底層に移動した。日出後は底深35~40mの底層でのみ釣獲と魚信が認められた。
一方,Fig.63から,昼間から日没前後におけるタチウオの釣獲と魚信の認められた水深の変化を検討する。
17:10から18:30までにタチウオの釣獲と魚信が認められた底深は33~37mであり,上述の日出後と同様に底層のみであった。
18:30から日没(19:30)にかけてはその水深が浅くなる傾向がみられた。日没後にはその水深はさらな浅くなり,表層付近に移行した。19:40から19:50の間には試験船上から表面を遊泳するタチウオが 2尾観察された。
昼間 (17:30頃)のタチウオの魚探反応は,海底付近に塊状として現れた。
このことから,昼間のタチウオは海底付近に群を形成し,その群の中の密度は相対的に高いものと推定される。
日没約30分前(19:00頃)のタチウオの魚探反応は海底付近に塊が拡散したような反応として現れた。
したがって,日没前のタチウオは昼間と同様に海底付近で群を形成するが,その群は昼間と比較して分散傾向を示すものと推察される。
なお,釣獲したタチウオの単体を海中に垂下したところ,その魚探反応は点状の反応の連続として現れた。
夜間 (20:00頃)になるとタチウオの魚探反応は散乱層の中に点状として現れた。この点状の反応は上述のようにタチウオ単体の反応と考えられる。
したがって,夜間のタチウオは表層か中層に浮上し,その群は分散した状態にあると推定される。

出典:宗清正廣、京都府「京都府立海洋センター研究論文 第3号 平成3年3月 若狭湾西部海域におけるタチウオの漁業生物学的研究」京都府、http://www.pref.kyoto.jp/kaiyo/documents/vol3.pdf(参照2016-11-3)

上記引用文でのFig.62、Fig.63に当たる図を簡単に制作しました。

こうして見ると、如何に“太刀魚のタナが変わりやすいか”がわかると思います。
日中はボトム付近に定位してあまり動かないようですが、いわゆるマヅメ時の動き方はすごいですね。10~20分の間に20mも水深を変えています。

船釣りならこの上下の動きにも対応できそう(魚探を見ながらタナを調整すればOK)ですが、陸からの釣りだと対応するのは難しそうです。
陸の餌釣りの場合、仕掛けを回収してウキ下を調整している最中も太刀魚のタナが変わってしまいます。

マヅメ時はルアー等で表層からボトムまでを手早く探り、夕マヅメ以降はタナを調整して表層から中層を餌釣りで狙う、というのが無難な釣り方でしょう。
朝マヅメ・夕マヅメに太刀魚が表層まで浮いてくるのは採餌するためなので、太刀魚の活性が高く、この時が一番の狙い時と言えます。

ですが、一本釣れたからといって同じタナを狙い続けても、もうその水深には太刀魚がいないこともあり得るので注意が必要です。
太刀魚釣りでは、素早くタナを変えることが最も重要であるとも言えます。

さて、上記引用元に太刀魚の産卵期についても記述があったのですが、釣りに関係しそうな所だけを紹介します。(詳しく知りたい方は上記引用元を見てください。)
引用元によると、
“太刀魚は産卵期の直前になると、オスの多い群れとメスの多い群れに分かれ、オスの多い方の群れは沖側に移動し、メスの多い群れは沿岸に残る。”
とのことです。

ここで思い出してほしいのですが、大型の太刀魚は全てメスです。(オスは成長がストップする)
メスの多い群れが接岸し産卵に備える、ということは餌を多く食べるのです。

もしかして、陸から大物(ドラゴン)を釣りやすい時期なのか?!

実はそうなんです。
大体6月~10月くらいまでが産卵期なので、この期間中はメスが接岸していて太刀魚釣りのベストシーズンとなります。
・・・私は今季まだ釣ってませんけど。

太刀魚について3回に分けて記事を書きましたが、思い付きで書いているので話がまとまらなかったですね。
本当はオーストラリアやイギリスの太刀魚釣りについて書こうと思っていたんですが、釣り方や使う仕掛け等も日本とほぼ同じようなものだったので書くのをやめました。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする