今回はロッドリメイクの話です。
「サーフで使うベイトロッドが欲しい」
そんな思いつきからベイトロッドを作ること(リメイク)を決心し、毎日コツコツと少しずつ作業しました。
今回のロッドリメイクのコンセプトは「なるべく元のパーツを活かす」。
ロッドに元々ついていたガイド・グリップ・ワインディングチェックなどをできるだけ使いまわそう、という魂胆です。
調べてみるとワインディングチェックなどの金属パーツって数を使うと意外とコストが掛かるんですね。
ガイドの値段もばかにならないし、そう考えると既製品のロッドって安いんですね~。
リメイクするロッドは10フィート・MHのショアジギングロッド。
このスピニングロッドをベイトロッドに作り変えます。
元がサーフで使うショアジギングロッドなのでサーフ用ベイトロッドに改造するのにピッタリなんじゃないでしょうか?
ちなみに、このロッドは予備用の竿なのでほとんど未使用品みたいなものです。
余談ですが、釣行の際は必ず予備用タックルを準備しておいた方が良いですよ。…遠征する時に限って釣り具にトラブルが起きたりするものです。
そんな時は仕方なく遠征先で新しいものを購入するしかないですが、好みの製品があるとは限らないですから…ね。
それでは作業のほうにいきしょう。
まずは解体作業です。ロッドを弄るのは不慣れですがパーツに傷をつけないように慎重に作業していきます。
EVAのフロントグリップを剥いでいきます。
※新聞の著作権に配慮してモザイクをかけています
傷をつけたくない金属パーツやロッドブランクはテープを巻いて保護しておきます。
EVAはカッターとペンチで剝がしました。
カッターとヤスリでこびりついたEVAを削ります。
ブランクを傷つけないよう、慎重に慎重に…
リールシートを破壊します。
壊すのはちょっともったいない気もするけど、ノコギリや目立てヤスリで切断しました。
ここもブランクを傷つけないように気を付けます。…リールシート破壊は疲れますね。気疲れ。
リールシートの下には隙間テープのようなものがスペーサーとして使われていました。
このテープがカッターやヤスリでは中々取れなかったのでペイント薄め液を塗布すると…
キレイに取れました。
残っている灰色部分はエポキシ接着剤です。
(しかし、この薄め液は一体いつのものだろうか?)
エポキシ接着剤を削り取ります。
ライターで熱してカッターで削ります。
ブランクの熱し過ぎは良くないようなので注意。
これでグリップ・リールシート部分の解体は終わりです。
リールシートよりも下のリアグリップは解体せずにこのまま利用します。
赤枠の部分をそのまま利用。
次はトップガイド以外のガイドを外します。(写真撮り忘れ)
トップガイドはそのまま利用。外したガイドも何個かは再利用します。
トップガイドの向きがこのままだとスパインを上手く利用できていない(スパインが裏表逆になっている)けど、気にせずそのままの向きにしました。
ガイドを外し、リールシート・グリップ部の金属パーツ(ワインディングチェックなど)をロッドの継ぎ目から抜き取ろうと思いましたが……
ロッドネームが書かれている部分の飾り巻きが邪魔でワインディングチェックが通りません。
仕方なく飾り巻きもライター・カッターで外します。
しかし……
あぁ…コーティングまで削ってしまいました。
カッターの力加減を誤るとこうなるので注意。
ワインディングチェックなどを抜き取ったら、ベイト用リールシート・EVAグリップ・金属パーツをエポキシ接着剤で接着します。
リアグリップの変な位置に金属パーツがきてしまいました……。
この金属パーツは外せなかったんでこうなってしまいました。
グリップ部分完成。
飾り巻きを取った時にコーティングが削れてしまった部分は、再び飾り巻きをして隠すことにしました。
……これだと飾り巻きと言うよりも「隠し巻き」ですね。
さて、ロッドをスピニングからベイトに作り変える時に問題となるのがガイドセッティングの変更です。
ベイトにする場合、バット側のガイドサイズを小さいものに変更し、大抵の場合ガイドの数も増やす必要があります。
必要なガイドの数は実際に竿を曲げてみないとわからないので、先ずはガイドをテープで仮止めしてガイド位置の調整を行う必要があります。
この時、曲げた時に竿にラインが接触しない、かつ、竿が自然に曲がるようにガイド位置を調整していきます。……が、私はよくわからないのでテキトーです。
私のロッドだとガイドは11個もあれば十分のようでした。
そして、元々ついていた9個のガイドのうちの7つが再利用できるサイズだったので、追加で5つ(1つは予備)のガイドを購入しました。
ガイド代もバカにならないからね……。元のガイドは有効利用。
追加のガイドを加え、11個のガイドを仮止めしてガイド位置の最終チェックをしたら、いよいよガイドをスレッドで巻き付けます。
スレッドはガイドを購入するついでに釣具屋で購入してきたものですが、SKELETOR WORKS(東邦産業)やJUSTACE(ファイブコア)のものが無かったので、「補修糸」というのを使いました。
ま、これでも問題はないでしょう…が、「黒」のスレッドを買ってきたのに若干青みがかった色合いなのがちょっと不満です。(黒っぽい紺色みたいな感じ。これを黒って言うのは無理があるでしょ…)
それにしても、隙間ができないようにスレッドを巻くというのは結構難しいですね…。
私は粗が目立たないように黒スレッドだけでガイドを付けましたが、ガイド足の銀色がチラチラ見えてしまっている状態にするのがやっとでした……。ホント、難しい。
しかも、11個のガイドが一直線に並ぶように気を付けたつもりでしたが、何個かのガイドが微妙に左右にズレてしまいました。……が、まあ、少しくらいズレても問題はないでしょうから巻き直しはしないことにしました。
……本音を言うと、もう巻き直しをするのは面倒だからやりたくなかっただけなんですけどね。
実は黒スレッドを使う前に、一度は茶色スレッドでガイドを半分くらい付けたのですが、粗が目立つ(糸の隙間からロッドの黒色が目立つ!)ので全部黒スレッドで巻き直したんです……。もう…巻きたくない……。
ガイドを付け終わったら、スレッドをコーティングします。
私が使ったのはJUSTACEの「JEC-40」というエポキシ。
↑これです。
コーティングは2回(2度塗り)しましたが、硬貨不良などのトラブルもなく無事終了。
以前の記事
で作ったフィニッシングモーターの動作も問題ありませんでした。
通常ならスレッドコーティングが完了したらロッドは完成ですが、このロッドは再塗装をしていないので「ガイドを外した跡」が目立って仕方がないので、部分的に塗装をしてガイド跡を隠すことにしました。
ピンラインとして使われていたシルバーのスレッドの色が何故か残ってしまったんですが、これが目立つこと目立つこと……。
用意したのはカシュー塗料とコンパウンド
このカシュー塗料には「特性うるし」と書いてあるけれど漆とは別物のようです。紛らわしいなぁ…。
本来ロッドを塗装するのなら2液ウレタン塗料が最適のようですが、今回は塗装する面積が小さいのでカシューにしました。
塗膜強度に若干の不安はありますが、カシュー塗料のテストだと思うことにしましょう。
塗装する前に紙やすりでガイド跡を軽く削ります。
……ん?
あれ? ここもコーティングが削れてしまっていますね…。気付かなかった……。
削った後は塗装です。
今回はロッドをフィニッシングモーターで回しながら筆で塗装しました。
合計 3回重ね塗りです。
塗装が終わったら、塗りムラを目立たなくするためにコンパウンドで磨きます。
一通り磨き終わり、マスキングテープを剥がすと……
あぁ…テープの縁だった部分だけ塗料が盛り上がってしまってます……。
しかし、この部分を爪で軽くひっかいてみたらポロポロと剝がれたので、余計なでっぱりは簡単に解消できました。
もう一度コンパウンドで磨きます。
うん、これで塗装した部分と塗装してない部分の段差が無くなりました。
でも、元のロッドの色と塗装した部分の色が少し違いますね……。ま、ガイド跡で凸凹しているよりはマシでしょう。
よし、これでベイトロッドへのリメイクは終了!
あとは実際に使ってみて、使用感や塗膜強度を確かめるだけです。
……が! 今問題なのは、全然釣りに行けないってことなんだなっ‼
これで使ってみて自分好みの竿でなかったら、もう1本作るというのも悪くないかもしれません。
ロッド自作も結構楽しいですね。
釣りに行けないから、尚更……ね。
おわり
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