2021年新モデル タコ釣りリール

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釣り具関係

前回は20201新モデルの中からショアジギング向きのベイトリールを紹介しましたが、今回は新モデルの中からオカッパリのキャスティングタコ釣りに使いやすそうなモデルを紹介します。

例年だとタコ釣りに使いやすそうな新モデルはごく僅かですが、今年はどうでしょうかね~。

発表されたモデル一覧

では、まずは各社の海水・キャスティング対応の新モデルの一覧から。

シマノ

  • アンタレスDC
  • カルカッタコンクエスト
  • スコーピオンDC
  • スコーピオンMD
  • SLX BFS

ダイワ

  • ジリオン SV TW
  • アルファス SV TW
  • スティーズリミテッド SV TW
  • タトゥーラ TW 300/400
  • スティーズA TW HLC
  • PR100

アブガルシア

  • プロマックス
  • ブラックマックス
  • アンバサダー CDL 100th Anniversary (限定生産モデル)

テイルウォーク

  • エランオクトパスワイド VTN
  • オクトパスライトプラス

シマノが5つ、ダイワが6つ、アブが3つ、テイルウォークが2つの計16モデル。

現状ではアブガルシアとテイルウォークの新モデルラインナップは少ないですが、これは年後半にかけて充実してくることを期待しましょう。

タコ釣りに求めるもの

さて、タコ釣り(キャスティング)に適したモデルを紹介する前に私がタコ釣りリールに求める要素をまとめておきましょう。

基本的には下記の条件を満たすモデルをピックアップして紹介したいと思います。

必須な要素

  • PE6号を100m以上巻くことができる糸巻量
  • 最大ドラグ力が8㎏以上
  • 7:1程度以下のギア比
  • キャスティングに適したブレーキを搭載している

あると望ましい要素

  • シンクロレベルワインド、またはライン放出抵抗の少ないラインガイドを搭載していること
  • 片側50㎜以上のロングハンドル
  • 値段が安い

こんなところです。

各要素については今更説明の必要もないでしょうから省きます。
ただ、PE6号/100m以上というラインキャパについては少し説明しておきます。

私が使うのは基本的にPE8号です。
この太さのラインでキャスティングをする場合、最低でもPE6号を100m程度は巻けるモデルでないとキャパが足りません。

なお、6号/100m丁度くらいのキャパだと、質の悪い根掛かりをした場合などはすぐに残りラインが足りなくなってラインを巻き替える必要が出てきます。

私と同じ、或いはもっと太いラインを使いたい場合はもっとラインキャパの大きいモデルを選ぶのが無難です。

モデルのピックアップ

それでは上に挙げた要素を備えたリールをピックアップします。

タコ釣りに使えそうな今年の新モデルは……

タトゥーラTW 300・400

……1つ。

現在発表されている新モデルの中でタコ釣りに必要な要素「ラインキャパ・ギア比・ドラグ力・ブレーキ」を備えているのは何と1モデルのみでした。

いや、タトゥーラは300番と400番で違うモデルと見ることができるので2モデルか?

ま、なんにせよ今年期待のタコ釣りリールはタトゥーラTWで決まりです。

他のものだと惜しかったのはスコーピオンMD。
ラインキャパは十分でしたが、ギア比が7.9と高すぎるので選外としました。

う~ん、同機種サイズ違いの2モデルだけってのは少し寂しいですが……ま、タコ釣りリールのラインナップってこんなもんですよ。

それよりも、ダイワが大型ロープロファイルベイトリールを出してきたというのが嬉しいところ。

ようやく日本2大メーカーも大型ベイトリールに本腰を入れてきたってことでしょうか?
これでアブガルシアが開拓した(?)日本の大型ロープロベイト市場がやっと成熟することになるでしょう。

今後の大型ベイトリールのさらなる充実が期待できますね。

それではタトゥーラTWの各モデルについて説明しよう……と思ったのですが、その前にスコーピオンMDにも触れておくことにします。

このリールをタコ釣りに使うのは最適ではありませんが、タコ釣りに使うのも無くはないかな…とも思うので。

スコーピオンMD

出典: SIMANO ONLINE FISHING SHOW 2021 「Scorpion MD」http://fishing.shimano.co.jp/product/series/products2021/products/6278/index.html

スペック (XGLH)

自重 315g
最大ドラグ力 8㎏
スプールサイズ 径 43㎜ / 幅 22㎜
糸巻量 PE 6号 / 120m
ギア比 7.9
最大巻上長 107㎝
ハンドル長 51㎝ (片側)
価格 36000円

まず最初にはっきりと書いておきますが、同じシマノならこのリールよりも去年選出したベイゲーム300PG(ギア比4.8:1)の方がタコ釣り用途には向いています。

「シマノリールを使いたいけど、タコ釣りに適したモデルが良い」という場合にはベイゲームの方をお勧めします。

すでに述べましたが、このモデルがタコ釣りに適さない理由はギア比7.9というエクストラハイギア仕様になっていること。

最大107㎝という巻取りの速さはタコ釣りには全く不要であるばかりか、下手をすると巻き重りでリーリングがカクついてせっかくの大物をバラしかねません。

ですので、タコ釣り専用リールとしてこのモデルを買うのはお勧めできません。

ただ、他の釣りとも兼用で1台用意するというのならスコーピオンMDを選ぶのも悪くない選択かもしれません。

スコーピオンMDは同型ボディを使った従来モデル(ベイゲームなど)によってその基本性能の高さは折り紙付きですし、巻取りが早いのでショアジギングやサーフトローリング、その他の釣りにも使いやすく、その高い汎用性はかなり魅力的です。

「釣りものごとに専用の道具を買っていたら堪ったもんじゃない」
そのように考えるのならこのモデルも選択肢に入れてもよいかもしれません。

私も1台のリールで色々な釣りを楽しみたいというタイプなのでこういったモデルは好きです。

ただ、「7.9というギア比はタコ釣りには高すぎる」と考えている私ですが、ワイドパワープラス(ギア比7.1)よりも高いギア比のリールではタコ釣りをしたことがありませんので「実際に使ったらどうなるのか?」というのは想像の域を出ません。

想像通りギア比の高さが仇となってタコをバラすことになるかもしれませんし、一方で、テイルウォークよりもシマノの製品の方がきっちり作ってあるでしょうから、もしかしたら数字上のギア比差ほどの巻上トルクの違いは感じられないかもしれません。

まあ、このあたりは実際に使用してみないと何とも言えないところですが、タコ釣りにおいてはエクストラハイギアの恩恵は無に等しいのは間違いないありません。

タコ釣りに向いたリールなら他にいくらでも(いくらでもは言い過ぎか…)あります。

そんなわけで、スコーピオンMDは「タコ釣り専用としてはナシ。他の釣りと兼用でタコ釣りに使うのはアリ。」という風に考えておくのがいいのではないでしょうか。

※このリールをタコ釣りで使う場合は利き手巻きのロングハンドルモデルがお勧めです。

タトゥーラ TW 300・400

出典: ダイワ「BASS PROJECT 2021」 https://www.daiwa.com/global/ja/fishingshow/2020ss/bass/index.html

スペック (ノーマルギア)

モデル 300 400
自重 325g 335g
最大ドラグ力 13㎏ 13㎏
スプールサイズ 径 43㎜ / 幅 ?㎜ 径 43㎜ / 幅 ?㎜
糸巻量 PE 6号 / 140m PE 6号 / 180m
ギア比 6.3 6.3
最大巻上長 85㎝ 85㎝
ハンドル長 110㎜ 110㎜
価格 37000円 38500円

今年のタコ釣りリールのNO.1です。

ラインキャパ、ギア比、ハンドル長、ドラグ力、太糸仕様のTウィングなどなど…タコ釣りリールに必要なものはすべて兼ね備えていると言っても過言ではありません。

文句なし。

スコーピオンMDはエクストラギアモデルだけだったのに対し、タトゥーラTWは300番でノーマルギア(6.3)とエクストラハイギア(8.1)が、400番はノーマルギア(6.3)とハイギア(7.1)がそれぞれラインナップされています。

こういう幅広いラインナップを展開してくれるのはユーザーにとっては有難いですね。
まあ、普通にタコ釣りをする分には300番・400番のどちらかのノーマルギアモデルを選ぶことになるわけですけど。

さてさて、タコ釣りに必要なものはすべて兼ね備えているタトゥーラTWですが、少し困るのが「300番と400番のどちらを選んだらいいのか?」という問題です。

次はタコ釣り+αの視点から300番と400番の選び分けを紹介したいと思います。

300番? 400番?

どちらのサイズにするか、という判断のポイントは至ってシンプル。

カゴ釣り・ヘビーな釣りにも使いたいか

それとも

タコ釣りだけ、或いはルアーフィッシング兼用で使いたいか

これがポイントになります。

要は「自分の釣りに必要なラインキャパ」で選べばOKってことです。

タコ釣りだけでなくカゴ釣りや大物ブッコミ釣り、大物狙いのルアーフィッシング等ヘビーな釣りも楽しみたいという場合には400番が断然お勧めです。

逆に、タコ釣りオンリー、またはサーフショアジギングなどのルアーフィッシングと兼用にする場合には300番の方がお勧め。
こちらの方がラインを巻いた時のスプール総重量が軽くなるのでスプールの立ち上がりがよくなるなど使用感が軽快になると思います。

まあ、個人的な好みでいえば400番を推したいところです。

その理由の一つが「400番は300番に比べ、相対的に軽量に仕上がっている」という点。

これは他メーカーの300番・400番のロープロベイトリールのスペックを確認してもらえばわかりますが、300番と400番では自重が100g以上違うのが一般的です。

それなのにこのリールでは300番と400番の自重の差はわずか10g。
これは軽いですよ。これなら300番リールと使用感はほとんど変わらないんじゃないでしょうか?

まあ、軽量になっている分、従来の重い400番リールよりもギアなどは若干小型になっていることが考えられるのでパワーは300番クラスだと思っておいた方が良いですが…。それでもタコには十分です。

あと、ライン交換の頻度を下げたいという場合にも400番がお勧めです。

こちらの方がスプール幅が広くラインキャパも多いので多少ラインを切ったとしてもキャストでラインを出し切る心配がありませんし、また、ラインの目減りも少ないので投げ感や巻き感などの使用感の変化も小さくて済みます。

ギア比はどうだろう?

さて、300番と400番のどちらを選ぶのかはラインキャパで決めれば問題はないのですが、ギア比はどうでしょうか?

タコ釣りだけに使うのならノーマルギアモデルが最適なのは明らかですが、私のように「1つのリールで色々な釣りをしたい」という場合はノーマルギアだとちょっと使いづらいのもまた事実……。

「タコ釣り専用にリールを1台用意するのは嫌だ!」
「色んな釣りに使うのでギア比も汎用性のあるものにしたい。」

こう考える方もいることでしょう。

そんなわけで、次は「兼用リール」として見た時のギア比の選択について書いていきます。

300番・400番 ノーマルギア(6.3)

カゴ釣りやブッコミ釣りなど、早巻きの必要がそれほどない釣りとの兼用リールとしては最適なモデルでしょう。

ラインナップの中では最も巻上トルクのあるモデルとなっていて、タコ釣りには一番向いています。

とは言ってもタトゥーラに搭載されているスプールはφ43㎜とかなりの大径です。

このギア比でも最大巻上長は85㎝となっているのでショアジギングやサーフトローリングなどの早巻きを多用する釣りにも問題なく使うことができます。

ちなみに、私がよく使うワイドパワープラス(ハイギア)の最大巻上長は87㎝です。なんと2㎝しか変わらない……。

「腕の力に若干不安がある」
「タコをバラすくらいなら巻取りは若干遅くても良い」

こう考えるならノーマルギアがお勧めです。

300番 エキストラハイギア(8.1)

正直なところ、ここまでのギア比になるとタコ釣りにはお勧めできません。
このモデルを購入候補に入れている時点で「メインは他の釣りでタコ釣りはオマケ程度」という方なのではないでしょうか?

スコーピオンMD同様、ショアジギングなどには良いですがこれはタコ釣りリールではないですね。

400番 ハイギア(7.1)

ノーマルギアはギア比6.3、それに対しハイギアはギア比7.1に設定されています。
その差は0.8なのでそれほど大きくギア比・巻上げトルクが変わるわけではありません。

7.1というギア比は私の持っているワイドパワープラスと同じです。
経験上、これくらいのギア比ならタコ釣りにも問題なく使えます。

ギアの品質・加工精度はテイルウォークよりもダイワの方が上でしょうから、十中八九ワイドパワーよりもタトゥーラの方が巻上トルクは強いのではないでしょうか。

最大巻上長はノーマルから10㎝増え、95㎝となっています。
わずか10㎝の差、とも見ることができますが、サーフトローリングなどで早巻きをする時はこの10㎝というのが意外に大きな差となります。早巻きでの疲労感が大分変わってくると思いますよ。

このリールはノーマルギアでも十分巻きが早いですが、それでも「できるだけ巻きのスピードとパワーの両立をしたい」というのならこの400番のハイギアモデルがお勧めです。

400番なのに軽いし。

……これ、決まりかなぁ。

「タコ釣り兼用で何にでも使えるリールが欲しい」と思うなら400番ハイギアモデルにするという選択はありですね。ありあり。

※ハイギアモデルを選ぶ場合は「利き手巻きのモデル」を選ぶ方が無難だと思います。

いやあ、それにしても今年の新モデルはタコ釣り用以外にも欲しいタイプのリールばかり……。

発売が待ち遠しいぞぉー。

おわり

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