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のつづき
・Skishing(スキッシング)
スキッシング、聞きなれない言葉ですね。
実は、スキー(ski)とfishingを合わせた造語らしいです。
じゃあ、スキーしながら釣りをするのか?と思うかもしれませんが、そうではありません。釣り場は主にサーフです。
スキシングは、ウェットスーツを着てポイントまで泳いで行って(泳ぎながら)釣りをする、という釣りです。
この釣りは、Paul Melnyk氏によって生み出されました。
大きい魚が釣れると釣り人は水中を引っ張られることになり、その様がウォータースキー等に似ているのでSkishingと名付けられたようです。
必要な道具はウェットスーツ、フィン、釣り具。非常にシンプルです。
陸からでは届かないナブラやブレイクラインを狙ったりできますが、サメや溺死等のリスクが付きまといます。
動画を見てもわかるように、水から出ているのは頭から胸あたりまでです。常に波飛沫を顔に受けることになります。
また、釣り人は船舶から見つかりづらいので、”船にひかれる”ことにも注意しなければなりません。
個人的にはここまでのリスクを冒すほどのメリットは無いような気がします。
・Yo-Yo fishing (Snare Fishing)
ヨーヨー釣りというと縁日などで見かけるものを想像するかもしれませんが、今回紹介するYo-Yo fishingは釣り専用のヨーヨーを使った漁法です。
ヨーヨーフィッシングは、Snare(ワイヤー等を使った罠の一種) Fishingの一種とも言えるかもしれません。
ヨーヨーにはバネ(ゼンマイバネか?)が組み込まれています。このバネがヨーヨーのキモになっています。
動画のように魚が餌に食いつくとロックが外れ、バネの力で自動的にフッキングしてくれます。
この釣り専用ヨーヨーは、英語では「Automatic Fishing Reel」等と呼ばれているようです。(商品名かもしれないけど)
やはりAutomaticということが売りのようですね。
さて、このヨーヨーを使用するときは、水面の真上(ラインを真下に垂らす状態)に設置するのが良いらしく、動画での使い方は効果的ではないのかもしれません。
しかし、このヨーヨーは使用者次第で色々な使い方ができる便利な道具で、価格も安いです。(米アマゾンで12個セットが26.5ドル)
価格が安いことから複数のポイントにセットすることができ、自動的にフッキングしてくれるので魚をばらすことも少ないようです。
また、水中でも使用することができ(ペットボトル等のウキとセットで)、小動物用の罠としても使える程度の耐久度も備えています。
結構使えそうな道具です。安いというのも良いですね。
しかし、この道具を使うであろう内水面では、都道府県内水面漁業調整規則や管轄漁協の定める遊漁規則によって使用が禁止されている可能性もあります。
家の近所の川は遊漁規則によって禁止されていました。・・・う~ん。
やはり、日本では「普通の釣り」以外の漁法を遊漁で楽しむことは難しいですね。
・Stilt(竹馬) Fishing
スティルトフィッシングはスリランカ南部で行われているユニークな釣りです。
日本では「スリランカ伝統の漁法」として紹介されているようですが、英語で調べると第2次世界大戦中(あるいは大戦後)から始められた漁法である、という記述が多くあります。
第2次世界大戦後から始められた漁を伝統漁業というのは無理があります。(最初は大破した船や戦闘機を足場に使ったようです)
この漁法が始められた理由は、大戦時の食糧難とそれに伴う釣り人の増加によって釣場(漁場)が混雑したことです。
これらの問題に対して、漁師の一人が波辺に足場を作り「新しい釣場を開拓する」という方法を思いついたのです。
そして、このスティルトフィッシングは漁業としては漁獲量が少なく、これだけでは生活が厳しいのが現状です。
そこで、スリランカ観光の目玉としてスティルトフィッシングを活用しているのです。「漁」で生活している本物の漁師は少なくなってしまったようです。
さて、日本にもスティルトフィッシングに似た釣りがあります。
出典:浦安吉野屋「青べか物語と吉野屋」浦安の屋形船 船宿浦安吉野屋、http://www.urayasu-yoshinoya.com/aobeka.html(参照2016-11-22)
「脚立釣り」です。
脚立釣りは江戸時代後期から行われていたようです。この時代では、初夏の東京湾で多くの釣り人が脚立に座ってアオギス釣りを楽しんでいたそうです。
昭和40年代に一度は姿を消した釣りですが、2011年に復活したということがニュースになりました。
スティルトフィッシングも脚立釣りも「海に足場を置いて」釣りをするというアイデアは共通です。
遠く離れた土地でも同じようなアイデアの釣りがある、というのが面白いですよね。
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