ナスキーおじさんの抜け殻

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釣り具関係

皆さんはナスキーおじさんをご存じだろうか?

名前の通り、ナスキーおじさん (ナスおじ) というのはいつもナスキーを使っているおじさんのことだ。

ナスキーというのはもちろんシマノの入門用スピニングリールであるあのナスキーのこと。

たとえ革新的なモデルが出ようとも脇目もふらずにナスキーを使う、それがナスおじだ。

スピニングリールを買うならナスキー。

使うのもナスキー。

買い替えるのも当然ナスキー。

道具に対して一途なのか無頓着なのかは紙一重、ナスキーおじさんとはそんな存在だと思ってもらえればいいだろう。

何を隠そう、私もナスキーおじさんの一人。
未だに10ナスキーを愛用している。

エギング、ライトルアー、サビキ、チョイ投げなど、このベテランリールの活躍の場は多い。

「私の釣りならナスキーで十分。」

この言葉を胸に、私はナスおじとして日々研鑽を重ねている。
ナスおじを名乗るにはそれなりの努力と責任を伴うのだ。

ナスキーおじさんになるきっかけは人によって違う。

ある者は初めて買ったリールがナスキーだったために。

またある者は思い出の魚を釣った時のリールがナスキーだったために。

そして、またある者はナスキーをプレゼントされたために。

私の場合はある少年との出会いによるところが大きかった……が、その話は別の機会に書くことにしたい。

今回は私が危惧する未来、ナスおじ達に迫る危機について書いていく。
現状を知ってもらうことでナスおじ達の明日が少しでも良い方向に進むことを期待している。

私が危惧していること、それはナスおじ人口(ナスおじ予備群含む)の減少。
そして、将来的にナスキーというモデルがなくなることだ。

今、ナスキーを使っている、あるいはナスキーを使っている人を見たという人はどれだけいるだろうか?

ちゃんとした統計が存在しないので断言はできないが、現在ナスおじ人口が急速に減少しているのはほぼ確実だと私は睨んでいる。
まあ、ナスおじが減っているというよりもナスキーを買ったり使ったりという人自体が少なくなっているのかもしれない。

つまり、私の考えをまとめると以下のようになる。

①ナスキーを手放す人(ナスおじ卒業)の増加。
②新規にナスキーを購入する人(ナスおじ予備群)の減少。

この2つの現象が同時に進んでいるのではないだろうか?

これが単なる杞憂ならよいが、深刻な事態になっているのではないかと私の(ナスおじとしての)直感が告げているのだ。

ナスキーが使われなくなった。

何故このような事態になっているのだろうか?

理由は単純だろう。

同価格帯のリールでナスキーの他にも良いものが増えたのだ。
より良い商品を求める一購入者にとってはナスキーに拘る必要はなく、また、ナスキーというブランドに価値を感じる人はほぼいないだろう。

同価格帯のリールでは、最近は特にダイワのものが人気になっているように思える。
過去のモデルと見比べてみると近年ダイワが低価格帯のスピニングリールに力を入れていたのは明らかだ。

年始のセール時に訪れた釣具店ではダイワの低価格帯スピニングの売り切れが非常に多かった。(その店はアブガルシアをほとんど取り扱っていないのでアブリールの人気具合はわからなかった)

一方、我らがナスキーはほとんどのサイズで在庫があった。

この光景を見た時に私は確信した。
ナスキーの持っていたシェアの一部は他社に奪われている、と。そして、それはこのままの状況ではもう戻らないだろうということを。

まあ、モデルごとの在庫数もわからない一店舗の例だけでこう結論付けることは暴論かもしれない。

だが、私には少なくともナスキーが以前のように売れているとは到底思えない。

それはシマノの商品展開にも原因がある。

現行のナスキーが何年のモデルかご存じだろうか?

2016年……。そう、もう5年も前のモデルだ。

今のところ今年ナスキーがモデルチェンジするという情報はない。
なので、早くとも今秋~来春まではモデルチェンジすることはない。

仮に来年モデルチェンジするとしても6年ぶりということになる。

……遅すぎないか?

6年間、これだけの時間があれば人によってはリールを使い潰しているのではないだろうか?
そして、果たしてその人達は使い潰したリールを買いなおすだろうか?

同じリールを買い替えるよりも、少し高くなろうとも性能の良い別のニューモデルに買い替える方が賢明ではないだろうか?

いや、どう考えてもその方が良いだろう。

毎年、新リールをチェックする時に技術進歩の速さを感じることも多い。
それだけリールというのは価格の割に高性能な製品が増えた。

現行ナスキーはもう5年前のモデルだ。もう新しい製品と満足に競争することはできないのだ。

それは今年の新モデル、21アルテグラによって一目瞭然となった。

両モデルの機能面を比較してみよう。

16ナスキーは優れた防水性を備えたエントリーモデルとなっている。
それに対し、21アルテグラは防水性・ギア(巻き心地など)・軽量さ・遠投性・ねじ込みハンドル・ワンピースベールなど多数の機能を備えている。

こうして見比べるととてもナスキーの一つ上のモデルとは思えない。

以前なら「アルテグラを買うか、けちってナスキーを買うか」という選択肢が確かにあったが、16ナスキーは21アルテグラの比較対象にはもうならない。

21アルテグラはストラディックなどの上位機種と比較されるべき仕上がりとなっている。

では価格面ではどうだろうか?

2500番の21アルテグラと16ナスキーの価格差は定価だと4800円となっている。
これは実売価格ではたぶん3000円台の差になるだろう。

ナスキーにたったの3000円強を足すだけであのスペックが手に入るのだ。最早ナスキーを買うのは損をするだけのように思える。

やはり「アルテグラを買うか、けちってナスキーを買うか」という選択肢は適当ではない。
けちるならより下位モデルであるサハラ以下を購入する方が良さそうだ。

サハラならアルテグラの半額程度になるので性能の差も納得できるだろう。
(サハラは防水機構の無いナスキーなので、基本性能はナスキーと同等となっている)

これからは「高性能なアルテグラを買うか、けちって安いサハラ以下を買うか」だ。

16ナスキーは中途半端すぎる。

21アルテグラの登場でナスキーはそういう位置付けのリールになってしまった。
これなら先にナスキーをモデルチェンジした方がよかったのではないだろうか?

周期的に見てもアルテグラより先にナスキーがモデルチェンジする方が自然だった。
それに、私の予想ではナスキーを先に出しその翌年あたりにアルテグラを出した方が2機種合計の販売数が増えると思うのだが、シマノはそうはしなかった。

これは一体何を意味するのだろう?

ナスおじとしては戦々恐々としている。
次のナスキーが発表されれば買い替えるつもりだったのだが、もしや……。

「ナスキーのシェアを他社に奪われているのではないか?」

そう私は考えていたが、そんなことは実は大した問題ではなかったのかもしれない。

そう、ナスキーを潰すのは他社製品なんかじゃない。

シマノ自身なのだ。


今回はいつもの記事に比べシリアスな内容となった。
中にはショックを受けてしまったという方もいるかもしれない。…申し訳ない。

本当に申し訳ない。

この記事………ただのネタなんだ…。
すまん。

いやぁ、アルテグラいいなー。
買っちゃおうかな~。うっほほ~い。

おわり

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