今回は「なぜデビパチを自作するのか?」と「デビパチの自作方法」について書いていきます。
※デビパチ=デビルエイトクローのパチモンの略
以前はタコエギ(ダウンショットみたいなタイプ)を使っていましたが、使い続ける内に不満点が出てきたので今はほとんど使っていません。
現在は自作したデビパチとタコテンヤを使ってタコ釣りをすることが多いです。
まずは、自作する理由からいきましょう。
デビパチ 自作の理由
デビパチを自作する理由を説明するには、まず「タコエギを使わなくなった理由」から書いていったほうがよいでしょう。
タコエギを使わなくなってしまった原因……それは飛距離!
以前は根掛かり対策としてダウンショット仕様のタコエギを使っていました。
捨てオモリを使うことで根掛かりしてもエギ本体が回収しやすく、ロスト率が低いので気に入ってました。
しかし、このタイプのタコエギはキャスト時に飛行姿勢が安定せず回転しやすい、という弱点がありました。タコエギが回転してしまうと飛距離がとても下がり、それがストレスになってしまうのです。
タコエギの前方にオモリが付いているから回転しやすいのは仕方がないとはいえ、ほぼキャストのタコ釣りしかしない(足元に落とす釣りはほとんどしません)私にとっては大きな欠点でした。
そこでタコエギの代わりにデビルエイトクローを使ってみることにしたのですが、これにも不満なところがありました。
- 値段が高い
1つ1500円以上する。いつ根掛かるかわからないような釣りをするのに、1つ1500円以上もするものを使うのは厳しい。 - ブレードいらない
確かにアピール力はあるのかもしれない。でも、飛距離と沈下スピードが下がるのでいらない。ストレスになる。 - 針が脆すぎる
何個か試したけど、どれも針が折れてしまった。曲がってしまうだけなら簡単に戻せるけど、折れちゃったら釣りを続けられません。 - ワームがちょっと付けづらい
ワームキーパー(名前あってる?ワームつけるところ)の形が気に入らない。専用のワーム以外も使うので、この形だとワームをセットしにくい。
という4点。
中でも値段が高いというのが一番の不満点です。
ロストに備えて何個かの予備も必要だし、仮に一日の釣りで3つロストしてしまったとしたら、それだけで5000円分になってしまう。これではタコ釣りをやる気がなくなってしまいます。
でも、デビルエイトクローを使っていて気に入った点ももちろんあります。
- 飛行姿勢が良い
沈むスピードを速くするために、試しにブレードを外して使ってみたら風が吹いていてもよく飛ぶようになった。多少の風でも飛行姿勢が安定しやすい。
たぶん、アームの先端についたオモリによって後方重心になっているのが効いているんだろうけど、この形を作ったのは見事だなぁ。 - カラー・サイズを変えられる
ワームを交換するだけで、カラーとサイズ(シルエットのサイズ)を変えることができる。その時の状況に合わせて調整がしやすい、例えば目立たせたいから「派手な色で大きいワーム」とか。
※ただし、ワームサイズはフレームで制限されるので、ある程度の範囲内での変更しかできないけど。 - 釣れる
これは実際にタコエギと釣り比べたわけではないのだけど、「これを使っていれば大丈夫」という安心感というか自信のようなものが持てるということ。
「これで釣れないのなら仕方ないかな」って感じ。 - 意外と根掛からない
「すぐに引っかかっちゃうんじゃないかなぁ」と思いながら使い始めたのですが、意外と根掛かりは少なかったです。これもアームが良い働きをしているんでしょう。
2本のアームがあることで、ちょっとした隙間に挟まるのを防いでいるんだと思います。やっぱりこれ考えた人すごいなぁ。
この4つが良いところ。
タコエギと違って「よく飛ぶ」というところが一番気に入っています。根掛かりが少ない、というのも良いですね。
性能面では概ね気に入っているデビルエイトクローですが、やはり価格が1番のネックになって使うのをためらってしまいます。
そこで、現在はオリジナルの良い点は残しつつ、気に入らない点を改善したものを自作することにしています。これならコストもかかりません。
では、デビパチ(デビルエイトクローのパチモン)の自作方法を紹介しましょう。
デビパチ 製作方法
まずは材料と道具から。
ペンチ×2、ハサミ、瞬間接着剤、エポキシ接着剤、糸(今回は余ったPEライン)、ステンレスバネ線(1㎜か1.2㎜径のもの)、ハゲ掛針、餌釣り用の針(今回は真鯛用のものを使用)
今回使ったハゲ掛針はこれ。中サイズです。
餌針はこれ。今回は金針を使用しましたが、何色のものでも構いません。
別にこの針である必要はありません。私は真鯛用・青物用・ブラックバス用のものから選ぶことが多いです。
あ、オモリを忘れてた。
ナツメオモリの3号。
3号で作った場合、完成品で30g前後(バネ線の太さや使う針で多少重さが変わる)になります。これにワームをつけると35g~40gくらいになると思います。
それでは、作っていきます。
①ハゲ掛針をバラしていきます。
ワイヤーの根本をペンチ(ニッパーのほうが切りやすい)で切ります。この製品からは7組の針が取れます。
②バラしたハゲ掛針に糸を巻きます。
巻き終わり部分を瞬間接着剤で止めておきます。糸を巻いたところに針を追加で取り付けることになります。
③餌針にも糸を巻きます。
糸は切らないままで良いですが、ずれないように瞬間接着剤を糸に染み込ませるようにつけておきます。
④ハゲ掛針に餌針を付けます。
餌針から出ている糸で強く巻きつけてください。この時、所々に隙間ができてもエポキシが入り込むのでOKです。
⑤エポキシでコーティングします。
100均のものでOK。エポキシが固まるまで待ちます。
⑥ハゲ掛針のワイヤー先端部を曲げます。
付け足した針の反対方向(下向きと書くほうがわかりやすいかも)に曲げておきます。
⑦ステンレスバネ線を切ります。
26~30㎝の長さです。30㎝にしておけば後で色々と調整がききます。
⑧切ったバネ線をねじっていきます。
バネ線を真ん中で折り曲げ、折ったところをペンチ(右)で掴みながら、2本になったバネ線をペンチ(左)で何回かねじります。
⑨こんな感じになればOK。
ねじってできた輪の向きは横(?平行?)に……まあ、画像の向きにしてください。
⑩ねじったところを糸を巻いて補強します。
糸は切らずに瞬間接着剤で仮止めしておきましょう。
⑪ハゲ掛針ワイヤーの先端部をバネ線の輪に通して、糸を強く巻いていきます。
ここでも糸は切らず、瞬間接着剤で仮止めしておきます。
⑫新しいステンレスバネ線を用意して、ワームキーパーを作っていきます。
言葉では形を説明しづらいので⑫⑬の画像で確認してください。
※決まった長さでバネ線は切らずに、現物合わせで折り曲げて作ったほうが良いです。
⑬このようにワームキーパーを取り付けます。
⑭糸で巻き付けていきます。
ワームキーパーの部分には大きな力は掛からないのでテキトーで良いです。
⑮糸を巻いたところをエポキシでコーティングします。
エポキシが固まるまで待ちましょう。
⑯アームにナツメオモリを通し、アームを曲げておきます。
こうしておくとナツメオモリをロックしておくことができます。
⑰オモリをアームにロック、ついでにオモリのところでアームを少し曲げておきます。
こうしておけばオモリがずれることはありません。
⑱いえ~い、完成。
デビパチの名に恥じない、実にチープな出来栄えでしょう?
しかし、オリジナルで気に入らなかった部分を改善してあるので、個人的には使いやすいものになってます。
こんなのでも1.5㎏くらいまでのタコなら抜きあげられます。
それ以上の重さのタコは、これで釣ったことはないのでどうなるかわかりませんけどね…。
気になる材料費は
- ハゲ掛針 900円
- 餌針 250円
- エポキシ接着剤 100円
- 瞬間接着剤 100円
- ナツメオモリ 400円
- ステンレスバネ線 350円
- 使い古しPEライン 0円
合計2100円
これで7個作ることができるので、1個あたりは300円くらいになります。これならロストを恐れる必要もないでしょう?
もちろん、販売店の価格や使う材料によってはもう少し高くなることもありますけど……鉛ではなく鉄のオモリを使うとかね。
私の場合は、ハゲ掛針をセール価格で買えたのでもっと安上がりでした。
あ、ついでにオススメのワームも紹介しておきますか。
これの4インチが良い感じです。
ま、匂いがついていてピコピコ動くパーツがついているなら何でも構いませんけど。
…こんなところですかね。
「デビルエイトクローを使いたいけど、高いんだよなぁ」って人や「タコエギじゃ釣れる気がしない…」って人はぜひ自作してみてください。
案外簡単にできますよ。
コメント
貴殿のデビパチ自作、大変参考になりました。貴殿のデビルエイトクロービョンドの長短、全くおっしゃる通りです。そのため私もデビルパラシュートも自作しています。ただ正皿に関しては、半田付けでの加工です。私はタコ釣りしかしないので、今後も自作で頑張りたいと思います。私のホームは、城ヶ島主体で、あとは三崎町周辺です。今後もタコ釣り情報よろしくお願いします。
>PLATOONさん
お役に立てたのなら何よりです。
タコ釣りは根掛かりがつきものですから、自作するなどの工夫をしないとお財布に大ダメージですよね。
最近の釣りのサイクルとしては、初夏~晩秋までが回遊魚釣り・冬~晩春までがイカタコ釣りですので、タコ釣り関係の記事は・・・もうちょっと先の方になりそうです。