イスズのリール「ピッキーノ」分解 とか


五十鈴工業(イスズ)のスピンキャストリール、「ピッキーノ(PICCHINO)」について。

このリールは「スピンキャストリールというものはどんなものなのか?」と興味があったので購入しました。
現在は釣りでは使用せず、もはや机の上の置物と化している……。

スペックは

重量175g
ギア比3.4:1
糸巻量2号 60m
最大ドラグ力1.5㎏

注目は、3.4:1という低いギア比とたった1.5kgしかないドラグ力。

3.4:1なんて昨今のリールでは見ることのない程のローギアです。
このリールのスプールは30mm径くらいになるまでラインを巻くことができる(これ以上はライントラブルを起こす)ので、最大巻上長は30×3.14×3.4=320.28mmです。

ハンドル1回転で、なんと32cmしかラインを巻き取ることができません…。

確実にライントラブルを起こしますが、スプールエッジぎりぎりまでラインを巻けば37mm径までいきます。それでもハンドル一巻きで39cmにしかなりません。
めっちゃ遅い…!

そして、最大ドラグ力は1.5kg。これはもう本当に弱いんですが、気を付けないとこのドラグ力はもっと弱くなってしまいます。私は2・3回経験しました。

この問題はリールの構造によって起きます。

このようにスピンキャストリールは、構造的にスプール・ローターがフロントカップに覆われている。

そしてスプールに覆うような形でローター(小さいカップみたいなやつ)が配置されています。

実はこのローターの形状こそがドラグ力低下につながってしまう。

釣りをするとスプールには水分を含んだラインが巻かれることになりますよね。
釣りの後、リールをそのままにしておくとしましょう。

そうするとラインの水分は蒸発こそするのですが、スプールが2つのカップ状のものに覆われているので、水分はリール外に出ないないままになってしまいます。

で、その水分がどこに行くのかというと……

ローター部分のカップの中、ドラグユニット周辺です。
この水分がドラグパッド・ワッシャーの間に入り込むことでドラグ力が下がってしまうわけです。

だから釣行後はフロントカップを外してラインを乾かすことが大事。

このリールには他にも不満点があります。

まず、飛ばない
バットガイドがリールのすぐ近くに付いているスピニングタックルみたいなものだから仕方ないですが…。

次、ラインがよれやすい!
これはまあ、ラインローラーの付いていないスピニングリールを思い浮かべてもらえばイメージできるんじゃないかと思います。スプール径も小さいですしね…。

しかも、ラインがピックアップピン・ローター(のエッジ?)の二ヵ所と接触するので、ラインの劣化が早いのも痛いところ。
下手な扱い方をすると、ラインはすぐにヨレヨレのチリチリになってしまいます…。

そして次、キャスト時、振りかぶる勢いでルアーが後方に飛んでしまうことがある、という問題。
これはどのスピンキャストリールでも同様で、ラインが細いほど起きやすいトラブルです。

この後方キャストトラブルはリールの構造上仕方ない部分もありますが、スピニング・ベイトリールと違って「ラインを触ることなくキャストする」ことも一因になっていると思います。

キャスト時にラインに直接触れるのではなく、ボタンを押す(或いはレバーを引く)という動作ではラインをどのくらいの力で押さえているのかがわかりづらく、ちゃんとボタンを押しているつもりでも実際には十分な強さで押せていないのでロッドを振りかぶると同時にルアーを後方にキャストしてしまう、というわけです。

まあ、このリールを使えば「キャスト前に後ろを確認する」という基本動作はバッチリ身につきますけど……。

……不満点はこれくらいにして、そろそろ分解にいきますか。

フロントカップを回して外すとボディ(リアカップ?)も外れる。

これだけでギアのグリスアップができるので、メンテナンス性は高い。

ギアにアクセスするのに道具すらいらない。

ローターを外す。

ハンドルを外す。

ドライブギア軸を支持するのは樹脂ブッシュ。

このリールにはボールベアリングは1つも使われていません。

スプール上部のEリングを外すと…

ドラグユニットとスプールが外れる。

左が下になるように並べた。
変な形の金属の輪っかが軸(リール本体)に固定され、スプールと白いドラグパッドは回転するようになっている。これはスピニングリールと大差ない。

スプールの下にあった湾曲した金属板を外したところ。

青〇で囲んであるのがドラグ力を調整するパーツ。これを出したり引っ込んだりさせて調整する。

さて、ギア側に戻ろう。

色々ついてるね。

ドラグ調整用のレバーを外す。レバーを動かしたときに「カリカリ」と音を出す金属板も外す。

もう一つのドラグ調整パーツを外す。

…まあ、ただのネジだよね……。

ピニオンギアとメインシャフト?(なんて呼ぶのかわからん)を外す。

※余談だけど、組み立てるときにこのバネを留めるEリングをつけるのに苦労した。2回もEリング飛ばしちゃった。

ドライブギア・逆転防止ラチェットを外す。

樹脂ブッシュはメインシャフト?を支持するもの。ラチェットの奥に入っていた。

樹脂ブッシュは全部で3つ。

メインシャフト支持に1つ。ドライブギア軸に2つ。

これで分解は終わり。
パーツが少ないので実に簡単にバラすことができます。

さて、色々と不満のあるリールですが、「何の釣りなら使えるのか?」を考えてみました。
リールの性質を踏まえれば答えは見つかるはずです。

  • ドラグ力が無いから大物(それほど大きくもない)狙いには使えない
  • 遠投できない・向いていない
  • 遠投できたとしても、巻取りが遅いので回収が面倒
  • 細いラインは使えない
  • ライントラブル・キャストトラブルが起きやすい
  • メンテが楽

う~ん……これは…………サビキかな?

  • 小物狙い
  • キャストしない
  • 細いライン使わない
  • メンテ楽だから海水もへっちゃら

……うん、サビキだわ。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする