今回はダイワのベイトリール「19 バスX 80SH」を分解していきます。
このリール…「格安なのに使える!」というコスパの高さでバス釣りの人達には人気のようですね。
でも、私はもうバス釣りはしない(断言はできないけど)ので、バス釣り用としてではなく海のボートでのタイラバ・ルアー釣り用に購入しました。
主な購入理由は3点。
- 安い
- 小径スプール
- 外部ダイヤル式ブレーキ
手持ちになかったφ32㎜スプールと外部ダイヤル式のブレーキによって、ゆらゆらと揺れる船の上でもトラブルが起きにくい(んじゃないかな~?)というのも大きいですが、最大の決め手はやはり価格です。
私の場合、船ではコマセ釣りとルアー釣りの2本立てで釣りをします。
そうするとルアータックルであろうとエサに使うオキアミの汁や臭いがついてしまいます。
「汚れて臭くなるリールは安いのでいいだろう…」
…そういうことです。
まだ全く使っていないのですが、このリールは購入した時から内部のよだれ…じゃなくて油分がダラダラと外に出てきていたので中のグリスなどをチェックするために分解することにしました。
それでは分解にいってみましょう。
ハンドルを外す
外側が左になるように並べました。
スタードラグを外す
外側が左になるように並べました。
組み立てる時は2つのウェーブワッシャーの向きに注意しましょう。
ハンドルキャップを外す
針金の先端を曲げたものを……
ハンドルキャップの穴に差し込んで外します。
ハンドルノブを外す
ハンドルキャップを外したら中のネジにアクセスできます。
ネジを外せば樹脂ブッシュとハンドルノブを外すことができます。
これも外側が左になるように並べました。
※このリールのハンドルノブに使われているブッシュのサイズは850ZZ(内径5mm、外径8mm、幅2.5mm)です。
大抵のリールで使われている740ZZ(内径4mm、外径7mm、幅2.5mm)ではないので、このブッシュをベアリングに交換する場合には注意が必要です。
余談ですが、850ZZサイズの樹脂ブッシュというのはほとんど市販されていないレアものなので、何らかの理由でこのブッシュが欲しいという場合にはこのリールを買うか、ダイワのパーツリストで番号を確認してハンドル(ブッシュ単体の販売はなし)を買うかしましょう。
まあ、あまりこういう人はいないかもしれませんが、私はこのブッシュが欲しかったというのもこのリールを買う理由になりました。
スプールを外す
スプールベアリングを外す
専用の道具を使うことをお勧めします。
次はボディにいきます。
メカニカルブレーキノブを外す
C型の抜け止めを外せばベアリングを取り出すことができます。
ボディを開ける
ボディの4つのネジ外せばOK。
サムレスト付近のネジだけが短く、残りは同じサイズです。
ローラークラッチインナーチューブを外す
ローラークラッチ自体も取り外せそうですが、面倒なんで今回はパス。
ドライブギア一式を外す
上側が左に来るように並べました。
ピニオンギアなどを外す
引き抜くだけです。
ギアシャフトを外す
2つのネジを外せばOK。
ウォームギアなどを外す
ウォームギアはEリングでギアシャフトに留められています。
Eリングって外すの面倒だよね~…。
上側が左になるように並べました。
次はレベルワインド。
フロントカバーを外す
ネジ1本外すだけ。
レベルワインド受けを外す
ウォームシャフトピンも外れます。
(パーツ少なくて楽だな…)
ウォームシャフトを外す
ボディ脇のEリングを外せば……
いろいろと外れます。
ウォームシャフトのピンを抜けば全部バラバラ。
次はクラッチ。
クラッチレバーを外す
クラッチレバー裏のネジを外せばOK。
クラッチプレートなどを外す
残った2本のネジを外せば……
バラバラ~。
組み立てる時はトーションバネの向きに気をつけましょう。
画像でボディに残っている方のトーションバネは、短い足がボディに入っています。
さて、最後はパーミングカップです。
パーミングカップのボールベアリングを外す
ピンセットなどで抜け止めを外します。
このパーツは飛ぶかもしれないので注意しましょう。
※ここから先の分解は特に理由が無い場合にはやめておきましょう。
理由は後述します。
ブレーキユニットを外す
3つのネジを外せばOKです。
なんて名前だかわからないけど、パーミングカップをロックするためのパーツも外れます。
その下にはクリック音を出すための小さいピンも入っているので紛失に注意しましょう。
ブレーキダイヤルを外す
ダイヤルは外側から内側に押すだけで外れます。
さっきの小さいピンも外しました。
ダイヤルを分解する
中はこんな感じ。
分解する必要は全くありません。
このパーツも組み立てる時に向きがあるので注意しましょう。
ブレーキユニットを分解する
ユニット裏のネジを3つ外せばOK。
中にあるバネの紛失に注意。
磁石の部分を取り外す
引き抜くだけです。
ここまで分解すればブレーキユニットをチューンすることができます。私はやりませんがね…。
さて、これでバスXの分解は完了です。
では、最後に「ブレーキユニットを外す」以降の分解を薦めない理由について書いておきます。
これは私の持つ個体だけなのか、それともこのモデル全部がそうなのかはわからないのですが、このリールはパーミングカップ周りの精度が悪いようです。
組み立て時に気づいたことですが、このリールはブレーキユニットを留める3つのネジの締め方によって「パーミングカップのロックの締め具合」と「スプール軸受け角度」が大分変わってしまうようです。
この3本のネジの締め付け方をそれぞれ調整する
ネジを締め付けすぎるとこのパーツが動きづらくなる
ロック具合の調整、あるいはスプール角度の調整だけならすぐに済みますが、ロック・スプールを同時に調整するのには随分と手間取りました。
ちゃんと調整しないとスプール回転で異音がする状態でしたからね~…。
過去にも同じような構造のリール(アブが多かった)を何度か分解したことがあったので、ネジの締め具合によってパーミングカップのロック具合が変わる(ネジを締め過ぎると固くなる)ことはわかっていましたが、こんなにスプールの角度が変わりやすい個体には出会いませんでした。
たまたま私の個体がこうだっただけかもしれませんが、他にも同じような個体がある可能性はあります。
なので、この機種に関してはスプールがスムーズに回ってマグブレーキがちゃんと機能しているのならブレーキユニット部の分解は避けた方が無難でしょう。(メンテの必要もないところだし)
ただ、このリールはパーツ点数も少なく、組み立ても難しくないのでベイトリールの分解・メンテナンスを覚えるには持ってこいです。
実用性もバッチリ(らしい)ですしお財布に優しい価格なので、ガンガン使えて壊れるのを恐れずに分解メンテナンスも覚えられちゃう良いリールだと思いますよ。
おわり
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